こんばんわ。ああいうサングラスって今売っているんですかね😎
TK最高ダゼ。
さて、おじさんトークをかましましたが、おじさんはたまーに科学に感動することがあります。まさにワイルド。まさにロマンなのです。
遠い世界の話と思われがちですが、しっかりその恩恵を我々は受けています。
これなくしては、カーナビもスマホの道案内も、アプリの位置情報共有もままならんというわけです。
スマホに入っている「GNSS」一般の方にはGPSといったほうが馴染みがありますが、GPSってアメリカのシステムの名称なんですよね。
今のスマホはアメリカのGPSだけってことはなくて、アメリカ、ロシア、EU、中国、日本(場合によってはインドも)の衛星測位システムを利用しています。
今回はGPSに限ってだけ言いますが、そのGPSにはしっかりと相対性理論に基づいた補正が入っていて使用されています。
この話、よく間違っているだのいう記事や本もある?ようですが、本家の公式に記載があるので、使われているのは間違いないかと。記載には相対論的補正と記載があるので、厳密に言えば”的”なのかもしれませんが。
GPSシステムは以下の3つのセグメントがあると書かれています。
1. スペースセグメント(衛星側)
2. コントロールセグメント(地上の運用局)
3. ユーザセグメント(受信機側)
GPSのICD(Interface Control Document)いわゆる”取説”には2つの相対論的補正が記載されています。
①衛星側の補正
IS-GPS-705という文書によると、
The SV carrier frequency and clock rates -- as they would appear to an observer located in the SV -- are offset to compensate for relativistic effects. (IS-GPS-705より引用)
SV の搬送波周波数とクロックレートは、SV にいる観測者に見えるように、相対論的効果を補償するためにオフセットされます。
※SVは衛星の意味
と記載されており、ようは衛星内部の使用されている時計を地上の時計に合わせるために時間をオフセットして合わせていると記載してあります。
GPS衛星は約4km/sの速度で動いていることと、重力の違いにより、時間の進みが地上と変わります。(時間遅延成分の特殊相対性理論と重力時間遅延成分の一般相対性理論に起因する)
オフセット量は Δf = -4.5674E-3 Hz.つまり、-0.0045674Hzずらしているということです。
衛星内部の基本周波数は10.23MHzなのですが、10.2299999954326 MHzで動作させることで、地上では10.23MHzになるとのことです。
よくネットで語られているのはこちらのほうですね。移動による時計の遅れと重力減少による時間の進み合わせて1日で38マイクロ秒のずれ(衛星のほうが時間の進みが早い)が生じます。
ニノマエですね。
②受信機側の補正
こちらは、IS-GPS-200という文書に記載されており、
Since these coefficients do not include corrections for relativistic effects, the user's equipment must determine the requisite relativistic correction. (IS-GPS-200より引用)
これらの係数には相対論的効果の補正が含まれていないため、ユーザーの機器は必要な相対論的補正を決定する必要があります。
ここで、係数とは、衛星の時計を補正する係数(時計そのもののバイアス、ドリフト、経年劣化による誤差係数)です。
こっちは上記のようにさらりと書かれているだけですが、軌道のパラメータを入れて求めてあげる式が書いてあります。
Δtr= Fe√A sinEk
ここで
F=-2√μ / c^2 μは重力定数、cは光速
eは離心率
Aは楕円軌道の長径
Ekは離心近点角
です。Fは定数なのでどの衛星も同じですが、そのほかの数値は軌道のパラメータなので衛星ごとにことなります。
意外にも簡単な式だなと思いませんか?どれくらいのオーダでズレるのか計算したいのですが、Ekだけ求めるのが若干めんどくさいので、今度にします。sinがあるのでsin波で表現され、増えたり減ったりするようです。
教科書によると数十メートル~数メートルの補正量みたいです。
衛星側って1日38μ秒時間が進むのが早いってことは、地球の住人をみたらわずかにゆっくり動いているように見えるのかな。ワクワクしますね。
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